私は、仕事をする上で気をつけていることがあります。
それは、完璧主義者になってしまうことです。
技術職である以上必要なことだと考えています。
なぜなら、お客様のこれからを想像しながら、素敵にして差し上げるのが責務であるから。
前回のご来店から今回のご来店に至る上で、やりづらかったことや気になったことを踏まえて、もっとこうしてああしてと修正していく。
より快適に、そしてお客様が喜んでくださるのが美容師としての最幸の喜びだからです。
しかし、完璧を目指し、こだわりすぎるが故に、タイムオーバーになったり、お客様を置いてけぼりにしてしまったりすることが往々にしてあります。
【木を見て森を見ず】
仕事はお客様の価値を創造すること。
本来、お客様が何を求めているのかが最重要であるということです。
質感、切り口がどうだとか、こうでああでは、とどのつまり自己満の世界。
ようするに、お客様の満足をカタチにするために、限られた時間の中で何をするのがベスト解かを考えなくてはいけないのです。
妥協するということではなく、まずは全体をカタチにしてから細かな点を整えてゆく。
そして、ヘアスタイルだけに集中し作り込むのではなく、お客様のかゆいところに手が届くよう、心を配るのです。
例えば、右に出したお茶がとりずらそうにしている仕草から左利きだからかと想像して、左側に置いて差し上げる。
いつもこのタイミングでお手洗いに行かれるから一声かけるとか、お客様をよく観察し相手の思いに自分の心を寄せて対話し気づいて差し上げる方が、とても大切なことではないかと考えます。
【プロフェッショナル】
限られた時間の中で最高の仕上がりを目指し、パフォーマンスを発揮する。
お客様の想像を超える価値を、ご来店からお帰りになるまでの間に提供するのがプロというものです。
と、ここまで書き出して、今思ったことがある。
「おい石田よ、ちゃんとできているのか!」と。
まだまだクリエイターとしては半人前で、ホスピタリティを志す身としては中途半端です。
もっと広い視野をもたなければいけない。
昨日よりも今日、今日よりも明日がよくなるように、信頼してご来店下さる皆様のために、もっともっと精進していきます。